木村優一氏プロデュース
「神戸国際taiko音楽祭」を観に行きました。
ゲストは太鼓の第一人者「林英哲」師。
日本の最高峰の舞台でした。
僕が修行させていただいた和太鼓松村組は、
もともと英哲師の流れを汲むチームであったので、
間接的ではありますが、
根底にある太鼓への考え方については
英哲師が切り拓いてくださった
道の上を歩んでいるようなものです。
昨年、英哲師が旭日小綬章を
受章された際、
「半世紀以上、太鼓を打って、新しい表現を目指し続けてきましたが、自分の仕事が社会にも太鼓愛好者にも、まったく響いてないような気がすることも多々あった道のりです。」
というコメントを読んで胸が締め付けられました。
僕も含め、太鼓奏者がやっていることは、
もとは英哲師が考案されたものばかり。
奏法だけでなく、太鼓の並べ方、
台やバチの形状、衣装にいたるまで。
急速に広まった分、
それを知らない人が多すぎて。
「これが日本の伝統!」とか
「大太鼓世界一!」
なんて堂々と謳って生業にする人もいるくらい。
奏者も聴衆もメディアも、知らないから、
悪気のない声が届くのが、いちばん残酷。
実は自分も、活動を続けるなかで
そんな種を蒔いてしまっていないか?
せめて自分が太鼓を教える次世代の
子たちには、道を切り拓いた先人に
敬意を持って歩める人であるよう、
伝えていかなければと思います。
何より、僕が20代の殆どを
ずっと側で苦楽をともにさせてもらい、
今の時代では有り得ない厳しさ(笑)で
僕に太鼓の基礎を叩き込んでくださった
優一さんが、
神戸の頂点「神戸国際会館」
2000席を満席にして、
燦然と輝き続けておられる姿に
終始、目頭が熱くなりました。
一つの道を極め、孤高に貫き続ける姿の尊さ、
そしてホンモノの舞台は、
こんなにも深く人々の心に響くのか
と思い知らされました。
僕も偉大な先達の背中を追いかけて
いきたいと思います。